中島らもが残したあまたの言葉
愛をひっかけるための釘
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愛をひっかけるための釘 参考書籍情報 ・集英社文庫 ・1995年7月25日 1刷 書評を読む 恋愛・人生について中心に語られたエッセイ。 もともとは茶道の雑誌に掲載されていたという。 |
PP.56-57 「サヨナラにサヨナラ」
だから肝心なのは、想う相手をいつでも腕の中に抱きしめていることだ。ぴたりと寄りそって、完全に同じ瞬間を一緒に生きていくことだ。二本の腕はそのためにあるのであって、決して遠くからサヨナラの手をふるためにあるのではない。
P.122 「不可知論と風」
真理というのは、知ったとたんに人間存在のヒューズをとばして死に至らしめるほどの、想像を絶するものなのではないか。それを理解できない程度のところにあえて人間の知能は設定されているのではないか
アマニタ・パンセリナ
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アマニタ・パンセリナ 参考書籍情報 ・集英社文庫 ・1999年3月5日 1刷 書評を読む ドラッグに関する論考や自身の体験談などをまとめたエッセイ。 テーマは沈痛なほどの「生と死」だと思う。 |
P.20 「睡眠薬系統」
自虐や反逆のツールとして使われているうちはクスリもたいしたことはない。問題はクスリが手段から目的にかわっていく瞬間にある。
P.40 「睡眠薬系統」
僕は、遠からず死ぬな、と思っていた。それも、ラリって階段から転げ落ちるか何か、そういったことのように思えた。
P.41 「睡眠薬系統」
ドラッグについて、酩酊について書くことは、死と生について語ることと同義である。
P.87 「咳止めシロップ」
”咳止めシロップがやめられない”というので悲観して自殺した高校生もいた。馬鹿な子だ。死ぬくらいなら、
”続けりゃいい”
”続けりゃいい”
P.87 「咳止めシロップ」
自分に愛想をつかせても人間は生きていける。
P.148 「有機溶剤」
生き残ってくる者と、一生廃人になる者がいる。これは「淘汰」なのだ。
P.229 「アルコール」
酒はいい奴である。酒自体には罪は一切ない。付き合い方をまちがうと僕のようになってしまうのだ。
ジャンル:エッセイ
恋は底ぢから
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恋は底ぢから 参考書籍情報 ・集英社文庫 ・1992年7月25日 1刷 書評を読む 恋愛について、セックスについて、などについて語らえたエッセイ。 途中、恋愛詩と恋愛小説が1篇ずつ。 |
P.53 「その日の天使」
一人の人間の一日には、必ず一人、「その日の天使」がついている。
P.110 「秘密の指輪」
自分のことについてしゃべればしゃべるほど、言葉によって自分が虚構化されていく
P.133 「恋するΩ病」
恋は病気の一種だ。治療法はない。ただしそれは世界中で一番美しい病気だ。
P.162 「怒涛の恋愛講座」
お互いの無知で傷つけあって、それでもお互いを許しあって、いやし合いながら過酷な時の流れにいっしょにたちむかっていくのが愛というもので、無傷なツルンとした愛などは「愛」の名に値しないと思います。
P.168 「怒涛の恋愛講座」
恋愛が「点」だというのは、それが、夜ごとどこかで唇と唇が初めて触れ合う至高の一瞬、時間の流れの外にある切断面、ただしその無の中に永遠を孕んだ一瞬のことだからである。
P.170 「怒涛の恋愛講座」
愛もまた、始まったその瞬間に終わっている。
ジャンル:エッセイ
変!!
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変!! 参考書籍情報 ・双葉文庫 ・1997年4月15日新訂発行 書評を読む 「変」をキーワードに世の変を笑う。 笑えるエッセイ集。 |
P.12
いいかげんウンザリして周囲を見渡していると、たまに、ほんとうに変なものというのにぶつかることがある。たいていの場合、そうした変てこなものは、「目立ちたい」という広告の発想からはおよそ離れたところに突如として鬼子のように生まれてきたものだ。
P.85 「ケモノ扁の話」
これはホモにねらわれたな、とゾッとして目をあけると、横にいたのは「オオアリクイ」だった。
P.86
汽車の中でふと目をさますと自分の横に『オオアリクイ』がすわっていた、というような話に僕は目がない。
P.235
メソポタミアの風俗を調べていて我々が「変」だと思うように、千年後の人間が見れば実に不可解な世界に我々は生きている
ジャンル:エッセイ
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