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中島らもが残したあまたの言葉

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こらっ

参考書籍情報
・集英社文庫
・1994年2月25日 1刷

書評を読む

仏の中島がついに切れる。
駅前開発、言論の圧殺を、グルメブームを、叱る。 
P.22 「言語の圧殺を叱る」
問題は言葉の響きの中になど存在しない。それを使う人間の意識の在り方にあるのだ。

P.45 「「教育憲兵」を叱る」
言っておくが、「自由」というのは決して美しい言葉ではない。自由を選べば人間は生きていく上では非常に不自由になる。そのために耐え忍ばねばならない孤独や心細さに比べると、我を折って「掟」の持つ不条理に耐えるほうがはるかに苦痛は少ないといえる。

P.110 「大麻取締法を叱る」
大麻取締法は現代の「お犬さま」条令である。

P.115 「勝新わるいか正しいか」
「すべて、この世に在るものは、隠蔽されることなく、個に対して開放されるべきである。ただし、それを”受け入れる自由”とともに、”受け入れない自由”も確保されている場合を前提として」

P.172 「いまどきの若者を叱る人を叱る」
「なっとらん」はずの世代が、確実に世の中を発展させつづけてきた

P.199 「熊本の子に毛がはえた」
教育はいまや社会システムを予行演習する「社会貢献のための予科練」に堕している。
 

異人伝 中島らものやり口

参考書籍情報
・KKベストセラーズ
・2004年8月15日 2刷

書評を読む

一人語りスタイルのエッセイ。
口述筆記は妻の「み」さんがやったのかな。にしてはきわどい内容が多いけど。
P.121
書くうえで意識してるのは、漢字をあまり使わないようにしていること。漢字を知らんわけじゃないけど、ひら仮名にしたほうが読みやすく、意味がよく伝わると思うから。
 
P.176
文才が枯れたら、「らも教」っていう新興宗教をつくるわ。ご神体はおれのペニス。
 
P.194
「神は死んだ」とニーチェが言い、
「ロックは死んだ」とジョニー・ロットンは言い、
「らもはもう死んでる」とおれの読者はみんな言うてるで。
 
 
 

ビジネス・ナンセンス事典

参考書籍情報
・集英社文庫
・1998年3月25日 1刷

書評を見る

「ビジネス」をキーワードにした笑える基礎知識的エッセイ。
エッセイにまぎれてコント風ショートショートも多数収録されている。
PP.40-41
この世の中に「人格者」などというものが、そうおいそれと転がっているわけがない。その割には、にこにこしてやさしい人というのはたくさんいる。つまりこれは生物学でいうところの「擬態」、学名「ジンカクシャモドキ」なのである。
 
PP.279-280
その頃の若者たちは、長髪ということに形而上的な思い入れを託していた。それはロックだの自由だの、要するに自分はスクエアな人種じゃないんだよ、ということの象徴だった
 
 
 

固いおとうふ

参考書籍情報
・双葉文庫
・2000年5月20日 1刷

書評を読む

芝居のこと、講演のこと、若かりし頃のことなど、徒然に綴られたエッセイ。
いちおう「酒中時代」「酒断時代」と酒くくりでテーマ分けされている。
P.14-15 「なぜ私が人前に出るのをやめたか」
そんなわけでもう人前には出ないことにした。ついでに雑誌に出る自分の写真も外人モデルか何かとさしかえようか、と思っている。
 
P.47 「暇との戦い」
「教養」とはつまるところ「自分ひとりでも時間がつぶせる」ということだ。
 
P.122-123 「私の大勝負」
蚊の目玉、クモの目玉などを考えると、彼らの頭の中ではこの世界が倒立しているはずだ。人間の脳はそれを逆転させる機能を持っているが、虫にその機能はない。ということは、彼らにとって上昇とはひたすら天に向かっての下降ではないのか
 
P.189 「デペイズマンを読んだ日々」
今思えば、若い頃に勉強せずに打ち込んでいたもので、今役に立っていないものはひとつとしてない。マンガ、音楽、書物etc。
必ず何かの役に立つと思って誤りではない。
 
P.267 「わが葬儀」
僕という存在の喪失が、しばらくの間人々の間に影を落とし、やがてその影が薄れていって、僕はほんとうの「無」になる。そういうのがいい。
 
 

ロバに耳打ち

参考書籍情報
・双葉文庫
・2005年7月20日 1刷

書評を読む

晩年のエッセイ集。
「衣食住」をテーマに連載されたエッセイをまとめたもの。
P.55 「あの日の風景」
懐かしい家。しかしモモの木も、イチジクの木も、クヌギの林も今はもうない。
 
P.79 「河内長野に笑死する」
自分がアクションを起こさねば誰がやってくれるというのか。何も起こりはしない。世界は昨日のままだ。だが昨日の新聞を誰が読もうとするだろう。
 
P.87 「竹林にクマ死す」
山中の道路にムササビが一匹、踏みつぶされて死んでいる。これが我々のしたことだ。
 
P.119 「ロックンローラーと食べ物」
ロック・アーチストには、食べていいものといけないものとがある。それは食べものには、ロック的なものと非ロック的なものがあるからだ。

P.203 「習いごと その二」
柔道の二級というのはとてつもなく弱い。どれくらい弱いかというと、ソロバンの二級と闘って負けるくらいに弱い。敵はソロバンという凶器を持っているからだ。

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