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中島らもが残したあまたの言葉

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不可解は不可解としてそのままに受け止める。それが時友の流儀だった。そうでもしないと、この不可解だらけのお世界に押しつぶされてしまう。
陸上の哺乳類の中で人間だけが無毛であるというのは実にへんてこなことです。月夜のオオカミ男のような姿のほうが自然なのであって、他の動物から見れば地肌ばかりでツルンとしている人間というのはさぞや不気味な存在であろうと思います。
「人の命は地球より重い」とよく言うけれど、そんなものは嘘っぱちだ。地球の方がやはり重い。ただ、その人、およびその人を愛する人にとってみれば、地球なんてオレンジ一個よりも軽いのかもしれない。要するに僕にはよくわからない。
何も起こりはしない。何もこわせはしない。よしてくれと頼んでいるのに日が暮れる。道頓堀の橋の上で日付が変わる。そして、頼んでもいないのにやがて朝日が昇るだろう。
過ごして行く日々の、どうしようもなく辛い一瞬、苦しい瞬間を点にして拾い出して行き線で結べば、そこには見事に「不幸な人生」という図式が浮かび上がってくるだろう。また逆の方法をとれば「幸福な人生」を描くこともできる。

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