忍者ブログ
中島らもが残したあまたの言葉

rss
Share on Google+
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


今夜、すべてのバーで

参考書籍情報
・講談社文庫
・1995年3月15日 3刷

書評を見る

吉川英治文学新人賞受賞作。
アルコール中毒で入院した際の自身の経験を元に書かれた。

P.54
同僚の仕事の愚痴を聞くのはまるで「仕事をしている」みたいで嫌だった。
 
P.146
生きる意志を杖として歩いていく人たちの流れの中にいて、そんな人たちのためだけに泣いたり笑ったりしたい
 
P.209
酒をやめるためには、飲んで得られる報酬よりも、もっと大きな何かを、「飲まない」ことによって与えられなければならない。
それはたぶん、生存への希望、他者への愛、幸福などだろうと思う。
 
P.259
大人にならずに死ぬなんて、つまらんじゃないか。せめて恋人を抱いて、もうこのまま死んでもかまわないっていうような夜があって。天の一番高い所からこの世を見おろすような一夜があって。死ぬならそれからでいいじゃないか。

P.287
今夜、紫煙にけむるすべてのバーで。
 
 
 

エキゾティカ

参考書籍情報
・双葉文庫
・2002年1月15日 1刷

書評を見る

「アジア」を縦糸にした短編集。
美しくて少し可笑しい物語が12話収録されている。
P.48 「ペットとイット」
「練習を積んだ、その十割を出そうとは考えるな。そんなことは不可能だ。六割出せ。そうすればおまえは勝てる」
 
P.183 「KUMIKO」
それはとても美しい瞬間だった。凍結されていたくみこの十三年間が、音をたてて溶け始めた。
 
 
 

お父さんのバックドロップ

参考書籍情報
・集英社文庫
・1993年6月25日 1刷

書評を見る

小学生向けに書かれたユーモア短編集。
へんてこなお父さんを主人公にした物語が4話収録。
P.24 「お父さんのバックドロップ」
な?人間じゃねえんだ。怪物だよ、怪物。そんなのが本気出しあって戦ったらどうなる?殺しあいだよ。それをやらないのを八百長だっていうんなら、八百長だわさ、たしかに。
 
P.80 「お父さんのカッパ落語」
あきらめましたよ どうあきらめた
あきらめきれぬと~ あきらめたぁ~
 
P.179 「あとがき」
大人には、子どもの部分がまるごと残っています。子どもにいろんな要素がくっついたのが大人なのです。
 
 

寝ずの番

参考書籍情報
・講談社文庫
・2001年10月15日 1刷

書評を読む

落語家一門の葬式の様子を描いた「寝ずの番」3篇。
その他、7篇のユーモア短編を収録。
P.92 「寝ずの番Ⅲ」
最近の若いもん、なんていう言い方をするのは馬鹿のやることだ。
 
P.94 「寝ずの番Ⅲ」
おれの心は トタンの屋根よ
かわらないのを 見てほしい
 
P.158 「グラスの中の眼」
コマーシャルというのは人を欲求不満にさせるためのものだ。
 
P.164 「グラスの中の眼」
俺の人生は破れている。 

P.181 「ポッカァーン」
「ええねん。おもしろかったら」
 
P.198 「仔羊ドリー」
「セオリー通りに起承転結になっているのが気にくわない。面白いところを一番アタマに持ってきて”つかみ”にするんだ、そうすれば小説がもっとあざやかに興味深いものになる」
 
 
 

空のオルゴール

参考書籍情報
・集英社文庫
・2005年2月1日 1刷


エンターテイメント長編。
奇術師同士の戦いを描く。
P.14
不可解は不可解としてそのままに受け止める。それが時友の流儀だった。そうでもしないと、この不可解だらけのお世界に押しつぶされてしまう。
 
P.15
いずれにせよ、時が我々を連れていってくれるだろう。約束の地へ。それが生であれ、死であれ、時が我々を連れていってくれるだろう。
 
P.87
「まったく神様は、何で食事なんていう面倒臭いものを創られたのだろう。俺はバッカスに祈りを捧げ、神を呪うよ」
 
P.220
二日酔いも、うまい酒も、両方味わってこそ酒の味だ。
 

Prev1 2 3 4 5Next

関連サイト
  • 笑える本を読もう!
    書評ブログ。中島らもの書評も多数。
  • 笑本ツイッター
    更新情報はツイッターにて。
  • 記事検索
    サーバー広告
    PR