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中島らもが残したあまたの言葉

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陸上の哺乳類の中で人間だけが無毛であるというのは実にへんてこなことです。月夜のオオカミ男のような姿のほうが自然なのであって、他の動物から見れば地肌ばかりでツルンとしている人間というのはさぞや不気味な存在であろうと思います。
「人の命は地球より重い」とよく言うけれど、そんなものは嘘っぱちだ。地球の方がやはり重い。ただ、その人、およびその人を愛する人にとってみれば、地球なんてオレンジ一個よりも軽いのかもしれない。要するに僕にはよくわからない。
部屋というのはその使用者の心象風景だ。
この世の中に「人格者」などというものが、そうおいそれと転がっているわけがない。その割には、にこにこしてやさしい人というのはたくさんいる。つまりこれは生物学でいうところの「擬態」、学名「ジンカクシャモドキ」なのである。
人間は一人一人、無表情のペルソナの裏に言語化できないような混沌を抱いている

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